2014年10月13日月曜日

日米の電子書籍、私の著書による比較

私の日本語版著書『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』(2006)の電子書籍が、ようやく紀伊國屋と丸善から刊行されたので、私の英語版著書 (電子書籍を含む) Japanese Companies in East Asia: History and Prospects (2012)Historical Development of Japanese Companies: Corporate Governance and Foreign Investment: Expanded and Revised Second Edition (2009)と比較して、日米の電子書籍の現状についてまとめておきたい。比較は、私の著作の範囲内で行われているので、日米の電子書籍のすべての比較を行っているわけではないことをあらかじめお断りしておきたい。
私の最初の英語版電子書籍が刊行されたのが、2008年である。今年は2014年なので、すでに日米間には6年という大きな格差があることがわかる。

まず、データの形式であるが、アメリカの代表的な電子書籍であるAmazonのKindleでは、独自の形式が採用されているが、端末の表示画面の大きさに合わせて、文字の大きさや行間などを自由に変更できるリフロー型である。これに対して、日本の電子書籍は、あらゆる端末において、元のレイアウトが維持される非リフロー(固定レイアウト型)である。電子書籍は、様々な端末(PC、スマートフォンなど)で読むことを前提にすれば、リフロー型が良い。

次に、検索機能であるが、Kindleはテキスト・データも同時に持っているので、検索は100%可能である。一方、日本の電子書籍は、印刷版から作成されているので、完全なテキスト・データを持っているかどうかは明らかではない。出版社はどの程度可能かは明らかにしていないが、その程度によっては、電子書籍としての意義は損なわれる場合もあり得る。

それ以外については、日本の電子書籍では、丸善版が図書館を通じてしか利用できない。学術図書を中心とした電子化なので、こうした対応になったのかもしれないが不十分と言わざるをえない。また、日本の電子書籍の場合は、個人の出版が可能になるような環境が構築されてない。

このような格差にもかかわらず、ようやく日本で電子書籍が活発に出版されるようになったことを大いに歓迎したい。特に、大学でのテキストをはじめとする活用に期待したい。しかし、アメリカと日本の電子書籍の格差は非常に大きい。日本の出版社、書店、今後登場するだろうベンチャー企業などはいうまでもなく、チャレンジする著者に、この格差を解消するよう大いに期待したい。

なお、これ以外の機能比較については、おって検討していきたい。















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