キーワード: 三つの視座、「ゼロコロナ政策」、尖閣危機、「戦略的臥薪嘗胆」、民主化支援、「チャイナスクール的体質」、SNS
書評の全文です。クリックしてご参照ください。私のwebsiteの2025年の研究ページにも掲載しています。
はじめに
垂 秀夫【著】/城山 英巳【聞き手・構成】『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋、2025/6/11)が、幅広い読者に注目され、読まれている。どこの図書館に行っても多くの予約が入っている。日本の外交官の著作がこれほど注目されたことは、かつて無かったのではないだろうか。日中間の対立が激化するという環境で、「中国が最も恐れる男」の思想と行動がどのようなものであったかに注目が集まっているからだろう。日中間の歴史と現在に注目し、国際経済とその歴史を研究する一人として、同書の主張が最も強く打ち出され、私が特に共感した章を詳しく紹介したい。
おわりに
「はじめに」でも指摘したように、この優れた著作はすでに広範な人々に読まれているが、さらに幅広い読者に読まれることを期待したい。また、すでに何人もの我が国の外交官が、様々なメディアで発言する機会があるが、垂氏のような戦略的思考を持ち、SNSを含むあらゆる手段を駆使して、日本の政策を相手国と世界に直接に訴える外交ができている人は少ないように思われる。これからは、垂氏に、「チャイナスクール的体質」とも共通する、「大手メディア的体質」にとらわれている、テレビ、新聞などの大手メディアでも、日本の対中国政策と外交政策全般に積極的な発言されることを期待したい。
