2017年7月12日水曜日

アジア企業の最新ランキング:インド・台湾企業の躍進

 日本経済新聞社は、2017年6月にアジア企業の最新のランキングを発表した。「Asia300」の327社を対象に成長力(2016年度までの5年間の売上高と純利益の平均増減率)、収益性(16年度の売上高純利益率)、資本効率(同自己資本利益率=ROE)、安全性(同自己資本比率)を独自に点数化し、総合的に優れた企業をランキングしている。最上位のLargan Precisionを100とし、各企業はそれに対する比率で表されている。
 この調査について、私は論文「アジア企業の最新ランキングとインド企業の躍進」で詳しく検討した。以下はその簡略版である。
 表1(簡略版)は、上位15社と上記の経営指標、筆頭株主を示している。ここで注目すべきなのは、15社のうちインド企業が5社、台湾が4社となっていること、インド企業は情報技術で優位に、台湾企業はTSMCやLARGAN Precisionだけでなく多様な企業を含むことである。
 ところで、アジア企業には政府系企業(背景が緑色)、外国企業系企業(オレンジ色)、財閥系企業(青色)が有力であると見られてきたが、中国などを除けば次第に後退していることもわかる。


  上記論文では、アジア企業で最も注目されているインド企業についても詳しく検討している。表4(簡略版)はアジア企業と同じ指数に基づくインド企業上位10社を示している。上位5社については表1で示した。6位以下では、LupinなどのPharmaceuticalsの企業や、日本のスズキの子会社Maruti Suzukiなどの活躍が注目される。






輸出志向工業化の開始以降続いてきたアジア企業の躍進は、またひとつ新たな段階を迎えようとしている。先行したアジアNIES、ASEAN、中国などを追跡してきたインド企業が、新たなIoT(Internet of Things)革命の進化の過程で新しいけん引役となっている。インド企業は経営効率の面でアジア企業の最先端を走っているだけではなく、市場と幅広い株主を基盤にした企業の発展もけん引している。
 詳しくは、上記の私の論文を参照していただけましたら幸いです。

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