2012年7月29日日曜日

2012年6月28日木曜日

IFSAM 2012が開催された、リムリックから

IFSAM 2012が、6月26日からアイルランドのリムリックで開催された。リムリックは、ヨーロッパのほぼ西の端、今まで開催されたパリやベルリンに比べるとかなり小さな都市である。冒頭の2つのKeynote Speechでは、発展途上国の理論的・実践的な役割が強調された。そう言えば、発展途上国からの参加者が非常に多いように思われる。アジアでは、中国からの団体の参加が目立つ。

ところで、ダブリンからリムリックには列車で来た。2時間の列車の旅のすべてで、緑に覆われた一面の牧草地が広がり、牛、羊、馬が無心に草を食む本当に美しい田園風景が見られた。この風景は、ヨーロッパのどこにでも、一歩都市を離れると見られる風景である。残念ながら、日本ではなかなか見られない。

ところで、このような世界的な学会がますます発展し、研究成果の交流が世界的な規模で行われることを期待したい。また、日本人の国際学会への出席が多くなり、日本での研究成果が世界に届けられることを期待したい。さて、私の報告は29日の予定である。どのような質問やコメントが出るか楽しみである。

なお、この大会での報告は、私の著書(2012)の第6章:Business Alliances between Japanese and Taiwanese Companiesとなっています。ご参照いただけましたら幸いです。

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2012年4月11日水曜日

奈良公園の桜

日本の最も美しい季節、桜の満開の季節がやってきました。
奈良公園の桜もそろそろ満開、一部は散り始めています。今日は雨なので、散るのも早くなるかもしれません。今日は、日本の桜を見るために、いつもより外国人観光客が多かったようです。
(Blogの背景は、奈良公園ではなく、生駒山を背景にした桜です)



向こうに若草山と公園一帯を望みながら咲いています











桜と緑が見事にコントラスト、そのうちに奈良公園も緑一色に












そろそろ一部は散り始めています











(2012.4.12追記)
100周年を迎えたワシントンの桜祭りの桜はもう散ってしまったようです。
今年は、桜祭りの一環として、日本を代表する画家伊藤若冲の展覧会、Colorful Realm: Japanese Bird-and-Flower Paintings by Itō Jakuchū (1716–1800)が、National Gallery of Artで開かれています。

改訂版を作成しました。(2013.3.31) 奈良公園の桜、改訂版、Cherry blossoms in Nara Park

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2012年4月7日土曜日

シャープと台湾ホンハイの提携、Alliance between Sharp and Hon Hai


「シャープは3月27日、EMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携すると発表した。鴻海グループがシャープ株の約10%を取得し、事実上の筆頭株主となる。」(日経、「シャープ、国際分業で再建急ぐ 鴻海が筆頭株主に」、2012/3/27 23:30)
シャープの側のねらいは明確であり、日本の各紙でも詳しく紹介されている。液晶パネルの価格が暴落し、経営が急速に悪化しているからである。ホンハイとの提携で液晶の安定的な供給が可能になる。

ホンハイは世界最大のEMS (Electronics Manufacturing Service, 電子機器の受託製造サービス)として、アップルへの供給をはじめ、時代をリードする製品を次々と世界市場に供給してきた。今や、ホンハイ抜きにして、最新の電子製品は語れない。
しかしながら、実はホンハイの経営もまた苦しい。売上高は台湾電子企業で圧倒的な規模を維持しているが、利益率は決して高くない。最近になってやや低下傾向も見られる。
また、最大の生産基地中国で、賃金の低さや労働条件の悪さが批判の的となり、今改善を進めざるを得なくなっている。これが実現されると、利益率はさらに低下する恐れもある。こうして、ホンハイも日本企業との提携による高度の技術の導入は、急を要する課題なのである。

この提携がどのような結果をもたらすかはまだ明らかではない。今後、シャープからの投資も行われ、相互投資の形態に発展する可能性もある。ホンハイ優位のみが結果となり、シャープのいっそうの衰退がもたらされる可能性も否定できない。
しかし、日本企業にとって台湾企業との提携は、それぞれの得意分野が異なること、などの理由で、国境を越えた提携としては、最も可能性のある提携のひとつであると思われる。したがって、日本企業は、この提携の先に新たな可能性を見つけ出す必要があるだろう。

このテーマについての、私の詳しい最新の研究は、以下をご参照ください。(英語版です、近日中にデータとして掲載します)なお、一部は以下のブログで、日本語で掲載しています。
日本と台湾の関係を広く検討した、私のブログは、本ブログの2012年1月17日をご参照ください。

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2012年3月27日火曜日

日本国際経済学会について


しばらく専門外の記事が中心だったので、少し私の専門に立ち戻ってみたい。

今年の5月に日本国際経済学会第2回春季大会が、10月に日本国際経済学会第71回全国大会が開かれる。
日本国際経済学会は、1950年に創立総会が開かれた、長い歴史と伝統のある学会である。
設立当初の時代は、日本の学会は、いわゆる近代経済学とマルクス経済学に分かれて設立されることが多かった。両者の立場も大きく異なっていた。しかし、日本国際経済学会は、設立当初から両方の立場の研究者が参加し、活発な議論が繰り広げられてきた。
その伝統は今も生きている。例えば、TPPに賛成する研究者も、反対する研究者も参加し、興味深い議論が展開されている。それが、この学会の強みとなっている。
各全国大会や各支部の研究会の、ほぼすべての報告のレジュメ、論文、PowerPointが掲載されているので、ぜひ参照していただきたい。私は、昨年までの約10年間、学会ホームページ(本部版と関西支部版)の作成を担当し、情報の広範囲な開示に努力してきた。なお、今年10月の全国大会のホーム・ページの作成は、私が担当している。
ところで、ギリシャやイタリアでは、金融危機の深刻化にともなって、意見の調整が困難な政党に代わって、研究者が政治の要職に就くという例が出てきた。日本でも、TPPや消費増税をめぐって、政党の議論は混迷を深めている。責任を持って政策を推進する政党が出てくることを期待したいが、ポピュリズム万能の時代には難しいかもしれない。その意味でも学会の役割は非常に大きくなっている。
これからは、学会が、現実的な政策に議論の中心を置くだけではなく、メンバー以外の人々の参加を容易にするような運営が必要だと思う。

3月28日の補足
今日、マリオ・モンティイタリア首相の特別講演会が開かれた。非常に興味深い、日本にとっても重要な内容だった。
講演会のホーム・ページ、Ustreamでの講演内容、新聞記事

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2012年3月4日日曜日

「『特攻―空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』(M.T.ケネディ著)より」、Maxwell Taylor Kennedy

You Tubeはさまざまな偶然の出会いをもたらしてくれる。
エレーヌ・グリモーの、heleneGrimaudTVもそうだったが、また新たな出会いがあった。「『特攻―空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』(M.T.ケネディ著)より」である。Maxwell Taylor Kennedyによる"Danger's Hour" (2008)の翻訳を紹介した動画である。

著者は、「本書は、一九四五年五月一一日、神風特攻隊の攻撃によって甚大な被害を受けたアメリカ海軍の航空母艦バンカーヒルの艦上で起きた出来事を描いたものである。」(プロローグ、p.11)
「日本軍の上層部が敗北を充分に認識した上で大勢の若者を神風特攻隊に任命したのは、絶望的な大義のために命を捧げた若者たちの倫理規範が、以後何千、何万年と、人々の自己犠牲精神をかき立て続けるであろうと考えてのことだった。彼らの最後の望みは、未来の日本人が特攻隊の精神を受け継いで、強い心を持ち、苦難に耐えてくれることだった。
現代を生きる私たちは、神風特攻隊という存在をただ理解できないと拒否するのではなく、人の心を強く引きつけ、尊ばれるような側面もあったということを理解しようと努めるべきではないだろうか。」(同、p.24)
第2次世界大戦が終了して70年近く経ち、ようやく戦争に対する客観的な評価が増加しつつある。アメリカを民主主義陣営の盟主とし、日本を独裁国家の代表とするという図式が確実に見直されている。あらゆる分野で、少しずつそのような作業が行われている。この著作も、そのような作品の一つである。ぜひとも多くの人に読んで欲しい本だと思う。
もちろん、著者の見解の一部には、日本へのよく見られる偏見が残っている。「日本人は個の生命は根本的に限られたものである・・・」(同、p.15)しかし、同時に著者は、「しかし、はっきりしているのは、神風特攻隊員のほとんどは、天皇のためなら喜んで死ぬという狂信者ではなかったということだ。」(同、p.19)とも言っている。

ところで、私は、自分自身の研究領域で、戦前の日本のコーポレート・ガバナンスがアメリカのコーポレート・ガバナンスと同様、市場中心型であると説明してきた。(『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』(2006))戦後長く日本を支配してきた、戦前日本の経済・企業は財閥中心であるという議論を具体的な資料を駆使して批判し、上記のような主張を展開した。
事実は、日本の市場経済と企業、そして民主主義がしだいに発展し、アメリカに脅威となったために、当時の条件の下では、戦争が不可避になったということである。

2012年1月17日火曜日

台湾総統選挙、日台関係


台湾総統選挙で国民党の馬候補が勝利した。これで、誰もが予想しているように、中国との経済的な関係はいっそう深まるだろう。
また、この結果は、1996年以降の台湾の民主主義が一段と定着していることも示した。
同時に、中国の関係が深まる事への危惧、台湾国内での貧富の格差が拡大しているとの批判が非常に根強いことも明らかになった。

ところで、台湾と日本との関係は急速に強まっている。台湾における日本ブームは広がっている。東日本大地震への台湾の支援は、交流協会に依ると、以下の通りである。(紹介箇所は一部)
「3.資金援助
(1)台湾当局からの資金援助、3月12日、外交部、1億台湾ドルの資金供与を表明。
(2)台湾官民の義捐金
(イ)交流協会在外事務所での義捐金受付
    3月21日より、交流協会台北・高雄事務所において義捐金を受付開始。9月9日現在、約11億円(詳細は台北、高雄事務所ホームページ参照)
(ロ)台湾官民からの義捐金
外交部によると、外交 部等の機関と 民間団体を合わせた義捐金は、9月16日現在、66億6,553万台湾ドル(上記(1)及び(2)(イ)の額を含む、1台湾ドルを2.7円で換算すると約180億円)」

これに対する、日本の人々の感謝は、以下のような形でも行われている。
支援に感謝、台湾まで泳いで横断 福島出身の大学生スイマーら、2011/9/3 13:27日本経済新聞 電子版
「東日本大震災後、台湾から日本に寄せられた支援への謝意を伝えようと、福島県相馬市出身の大学生スイマーらが17日から2日かけて日台間を泳いで横断する。岩手・宮城両県知事の感謝メッセージを台湾側に渡す計画で、台湾側もサポートする。メンバーは「みんなで挑戦する姿勢、あきらめない気持ちも伝えたい」と話している。」

ところで、私は台湾企業と日本企業の連携の動きについて、Business Alliances between Japanese and Taiwanese Companiesと言う英文論文を作成し、Annual Research Bulletin of Osaka Sangyo Universityに投稿し、これからいくつかの学会に報告したいと思っている。近く刊行される予定なので、上記のサイトでご参照ください。

一部を日本語原文で紹介したい。
「このような情勢で、Hon Hai Precision IndustryのTerry Gou氏は、日台企業連合の可能性について、次のように述べている。「1)それぞれの長所を活かせること。日本企業の長所は培った技術と真面目さ、台湾企業のそれは高いフレキシビリティである。(2)知的財産権を尊重すること。我々は決してコピーしないし、ロイヤリティも必ず払う。鴻海もたくさんの知財を保有している。(3)正直で信用を重んじるなど、双方の文化が近いこと。(4)日本企業はブランドを持ち、我々は持たないこと。」(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110614/192553/)
この発言をふまえて、日台企業連合の可能性をまとめてみよう。1) 日本企業は長い歴史の中で世界的なブランドを確立している。一方、台湾企業はファウンドリーやファブレス、EMSなど、日本の企業とは異なるビジネスモデルを確立し発展したが、その中には、ブランドを持たない場合も少なくない。その意味で、相互補完関係を築くことができる、2) 日台にとって中国がともに大きな役割を果たしているが、台湾企業はすでに中国に強固な基盤を築いている。日本企業にとって社会主義中国への進出は、大きなリスク、いわゆるチャイナリスクを伴う。その点で、台湾は日本が中国に進出する橋頭堡になりうる。3) 日本と台湾とは歴史的に見て良好で緊密な関係、また、それを土台にして、双方で深く根付いた市場経済と企業活動を築いている。」

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