新緑の秋篠寺を訪れた。近鉄大和西大寺駅から歩いて10分あまりで行ける。
久しぶりに行ってみたが、寺全体がとても美しくなり、新しいパンフレットも刊行されたので、このブログでぜひ紹介したい。(2016年9月刊行, 全35ページ)
左に掲げたパンフレットの表紙はちょうど今頃の写真で、青紅葉が美しい。もちろん秋の紅葉の時期も美しいことが十分に想像される。
また寺には苔が生い茂っている庭があり、それをぐるりとまわって本堂に行くことになる。
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平安時代末期に戦火のため伽藍の大部分を焼失し、鎌倉時代には今の本堂がもとの講堂の跡に再興されましたが、金堂や東西両塔の跡は雑木林になってしまっています。」
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秋篠寺の最も有名な仏像は、伝伎芸天立像(重文)である。頭部は奈良時代末期に、体部は鎌倉時代に作られたと言われる。
「伎芸天が本来の尊名であったか否かは定かではないが、美しく静かに動くしなやかな肢体や、あたかも天上界の歌が聞こえるような口元や表情などからは、この尊名がまことに相応しい。」(上記パンフレット, p.21)
像からは、頭部を中心にかなりはっきりと鮮やかな朱色が読み取れる。衣からは緑色もかすかに見える。
近づいて見てみよう。顔を少し傾け、じっと目を閉じ、わずかに口を開けて、静かに祈っているのか、あるいは歌っているのだろうか。
もうひとつ注目したい像を紹介したい。十二神将像である。この像は、「本尊薬師三尊像の両側に六躯ずつ二列の階段状に安置されている」(p.12)
「十二神将は薬師如来とその信者たちの守護神で、昔、釈迦と同様に印度の王子として生まれた薬師は、衆生の苦しみを救うために出家。苦行中に十二の大誓願を立て、やがて大願成就して東方薬師浄瑠璃浄土の教主となるが、この十二の誓願を守護するために現われた十二の夜叉大将が十二神将である。」(p.12)
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何よりも注目したいのは、それぞれの像のポーズと表情がとても変化に富んでいることである。十二神将像は、同じ奈良の新薬師寺にもあり、その方が有名であるが、私は柔らかな身のこなしと独特な表情の左の写真の二像を含む、秋篠寺の十二神将像が興味深く思える。
ぜひ比べていただきたい。
これらの像を原色で見ることが出来れば、さぞかし堂内では豪華絢爛で荘厳な雰囲気を味わえるだろう。
秋篠寺も先に紹介した新薬師寺も、奈良の中心部からはやや離れているせいだろうか、観光客は未だ多いとは言えない。東大寺、薬師寺、唐招提寺とともにぜひ訪れていただきたいお寺である。
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