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目次:はじめに、1 『アフター・メルケル』の概要、2 第1章 メルケル時代の総括―4つの次元における整理、3 第2章 現在 ドイツ一強がもたらす「歪」、4 第3章 過去 「病人」は如何にして復活したか、5 第5章 補論 日本はドイツから何を学ぶべきなのか、おわりに
「はじめに」は以下の通りです。
今、ドイツを中心とするヨーロッパ諸国は、第2次世界大戦後の最大の変化のひとつを経験しつつある。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵略は、ドイツを中心とするヨーロッパ諸国に劇的な政策転換を求めている。その動きは、ロシアとの関係を重視する、アメリカのトランプ政権の登場によって、さらに加速した。
2025年3月18日に、ドイツ連邦議会(下院)は、巨額の財政出動に必要な基本法(憲法)の改正案を採決し、賛成多数で可決した。厳格な債務抑制から方針転換し、長期の国防費増強に道を開いた。
2025年2月23日にはドイツの総選挙が行われ、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が中心となる新たな政権が誕生する予定だが、そこで大きな争点となった移民問題についても大きな変化があった。ドイツ連邦議会(下院)は、選挙直前の1月29日、連邦政府に移民対策の厳格化を要求する決議案を賛成多数で可決した。最大野党であるキリスト教民主・社会同盟が提出し、「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持し、僅差で賛成多数となった。
このようにして、今世界がドイツに注目しているが、ドイツの最近の動向を包括的に検討し、注目されている唐鎌大輔『アフター・メルケル』(日本経済新聞出版)を改めて読み直してみたい。この著作は2021年12月刊行なので、今現実に起こっている変化を検討しているわけではないが、その萌芽をどのように捉えているかを中心に読んでみたい。
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