2026年1月21日水曜日

「太田 洋『コーポレートガバナンス入門』を読む」を掲載しました

太田 洋『コーポレートガバナンス入門』を読む:CG理解に基本的な書、将来像は不鮮明」を掲載しました。

 書評の全文です。

 以下は、同書評の「はじめに」です。

「日本経済がようやく「失われた三十年」を脱しようとしている。日経平均株価も2025年から2026年初頭にかけて最高値の更新を続けている。その理由のひとつとして、コーポレートガバナンス改革の進展が挙げられるだろう。

 しかしながら、今まさに我々はAI革命の真っ只中にいるが、それを推進している中心はアメリカ企業であり、日本企業はその一翼を担っているとしか言えない。その結果、日本の若い世代の投資資金の多くはアメリカ企業に向かっており、そのひとつの結果として円安が進行している。

 こうして、再び日本企業の企業価値の増大を促すコーポレートガバナンス改革が、求められている。このような環境の下で、太田 洋『コーポレートガバナンス入門』(岩波新書、2025年)は、多くの人々に読まれるべき図書として注目されている。

 本書評では、同書第1章から第5章までは、著者の主張をできるだけ詳しく紹介し、その後の章では、著者の主張とともに、私の批判的な視点を展開していきたい。」

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2026年1月8日木曜日

ユーラシアG、トランプ・アメリカ批判に傾く、3年間の比較

ユーラシア・グループの3年間の世界10大リスクを比較しました。

ユーラシア・グループ 2026年世界10大リスク」の第1の特徴は、トランプ・アメリカのリスクが4項目で、最も多かったことです。他方で、アメリカでのAI革命進展の評価が低く、ややバランスを欠いているように見えます。

これに対して、中国に対しては「電気国家」の成果が評価され、中国のデフレは第7番目で、アメリカと比較すれば、世界経済への中国リスクに過小評価がうかがえます。ロシア・リスクは3年間変わらず第6位です。


ユーラシアGによる文書を掲載したwebsite(英語)

ユーラシア・グループは、地政学リスクを専門に扱うコンサルティングファームの先駆けとして1998年に設立されました。現在では、約200名の従業員がニューヨークなどで顧客支援に従事し、地政学リスクアドバイザリーの分野における世界的リーダーとして広く認められています。」(同グループwebsiteから)

日本経済新聞などでも、上記の文書を取り上げています。「26年の10大リスク「トランプ革命」首位 行政の政治利用に懸念」、2026年1月6日 16:01。

#ユーラシアG、#トランプ、#ドンロー主義、#電気国家、#AI


2025年12月27日土曜日

「書評『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』を読む」を掲載しました

書評:習近平時代を読み解く「三つの視座」から、「戦略的臥薪嘗胆」を提唱する『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』を読む」を掲載しました。(2025.12.28)

キーワード: 三つの視座、「ゼロコロナ政策」、尖閣危機、「戦略的臥薪嘗胆」、民主化支援、「チャイナスクール的体質」、SNS

書評の全文です。クリックしてご参照ください。私のwebsiteの2025年の研究ページにも掲載しています。

はじめに

 垂 秀夫【著】/城山 英巳【聞き手・構成】『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋、2025/6/11)が、幅広い読者に注目され、読まれている。どこの図書館に行っても多くの予約が入っている。日本の外交官の著作がこれほど注目されたことは、かつて無かったのではないだろうか。日中間の対立が激化するという環境で、「中国が最も恐れる男」の思想と行動がどのようなものであったかに注目が集まっているからだろう。日中間の歴史と現在に注目し、国際経済とその歴史を研究する一人として、同書の主張が最も強く打ち出され、私が特に共感した章を詳しく紹介したい。

おわりに

 「はじめに」でも指摘したように、この優れた著作はすでに広範な人々に読まれているが、さらに幅広い読者に読まれることを期待したい。また、すでに何人もの我が国の外交官が、様々なメディアで発言する機会があるが、垂氏のような戦略的思考を持ち、SNSを含むあらゆる手段を駆使して、日本の政策を相手国と世界に直接に訴える外交ができている人は少ないように思われる。これからは、垂氏に、「チャイナスクール的体質」とも共通する、「大手メディア的体質」にとらわれている、テレビ、新聞などの大手メディアでも、日本の対中国政策と外交政策全般に積極的な発言されることを期待したい。


2025年11月8日土曜日

研究ノート バブルの歴史とAIバブルの崩壊: 『AIバブルの不都合な真実』とキンドルバーガー理論

研究ノート 「バブルの歴史とAIバブルの崩壊:『AIバブルの不都合な真実』とキンドルバーガー理論」を掲載しました。

以下は、その「はじめに」です。

「2025年10月27日、日経平均株価が50,000円を突破した。11月4日には52,636.87円まで上昇し、市場最高値を記録したが、翌5日には、下げ幅は2400円を超える場面があった。アメリカを中心とする世界の株式市場では、現在の相場がバブルではないかとの主張を展開する投資家もしだいに増え、市場が不安定さを増している。

 こうした情勢を背景にクロサカ タツヤ『AIバブルの不都合な真実』(日経BP、2025年09月29日)が刊行され、注目を集めている。本ノートは、1でその著作を紹介し、2はバブル研究の古典である、キンドルバーガーの『熱狂、恐慌、崩壊 金融恐慌の歴史』を取り上げ、バブルの歴史を辿りながら、現在のバブル化しつつある市場について考えてみたい。」

研究ノートです。クリックしてご参照ください。

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2025年10月17日金曜日

関 智英『対日協力者の政治構想』の紹介と書評、 そして私の戦間期対中投資論

書評「関 智英『対日協力者の政治構想』の紹介と書評、そして私の戦間期対中投資論」を掲載しました。

書評の全文です。クリックしてご覧ください。

書評の「はじめに」は、その課題を次のように提示している。
 「関 智英『対日協力者の政治構想 日中戦争とその前後』(名古屋大学出版会、2019年)は、戦間期中国における対日協力政権を研究した、数少ない包括的で優れた研究である。本書評1では、その最も中心的な内容で、対日協力政権の概観ともなる「緒論」を中心に詳しく紹介したい。
 この著作は、書名の通り、対日協力政権の主に政治的な側面を研究の対象にしているが、私はその協力の基礎には、日本の対中投資と、その結果として生まれた企業活動の発展があると考え、“Japanese Companies in East Asia: History and Prospects: Expanded and Revised Second Edition” (2015)をまとめたので、2では、その内容を紹介したい。」

 書評の目次は以下の通りである。
「はじめに
 1 『対日協力者の政治構想』について
 2 日中間の経済関係から戦間期中国を捉える:Hirohiko SHIMPO, “Japanese Companies in East Asia: History and Prospects: Expanded and Revised Second Edition” (2015)の紹介
 おわりに
 付表、Shimpo (2015)における各表」

 書評の「おわりに」は、次のようにまとめている。
 「以上の検討によって、いかに多くの日本企業とその子会社が、戦間期の中国や満洲で活発に活動し、それぞれの地域の経済発展に貢献したかが明らかになるだろう。そして、中国人や満州人が、日本企業で役員や従業員として、さらには投資家として、その企業活動を支えたのかもわかる。また、日本企業とは別に独立して、中国人や満州人が新たな企業を設立した場合も少なくない。
 私の研究によれば、関氏が明らかにした、対日協力政権は、このような経済活動の基盤を獲得してはじめて、現地の人々の生活に貢献できたように思われる。この点では、戦間期日本企業の中国・満洲における活動は、現在の日本企業、そして中国企業の海外活動と基本的な性格は変わらないと思われる。」


2025年8月18日月曜日

「研究ノート: 世界経済発展への脅威、トランプ関税: 戦間期英米の関税政策を振り返る」を掲載しました

1932年、ブロック経済圏始まる
研究ノート:世界経済発展への脅威、トランプ関税:戦間期英米の関税政策を振り返る」を投稿しました。

 研究ノート(クリックしてください)

<研究ノートの「はじめに」>

トランプ関税が世界経済の発展の脅威となっている。それは、具体的な内容が不明確で、当時国間の交渉も著しく不足した、トランプ政権による一方的な内容である。しかし、すでに発表された内容によれば、その影響は大きく、アメリカ経済と世界経済に深刻な影響を及ぼす恐れがある。

 関税が世界経済にどのような影響を及ぼすかについては、戦間期世界経済の歴史を捉え直すのが適切であると思われる。当時は世界恐慌によって、各国は関税競争に陥り、世界経済はブロック化に向かった。

 本研究ノートは、戦間期世界経済の実態を明らかにすることで、トランプ関税とその影響について検討したい。

(写真は、日本経済新聞「1932年、ブロック経済圏始まる」2023年1月2日 、カナダ・オタワでの会議に向けた出航前に船内で談笑する首脳)


2025年8月1日金曜日

書評「水島治郎編著、ポピュリズム研究 3著作の紹介」を掲載しました

書評「水島治郎編著、ポピュリズム研究 3著作の紹介」を掲載しました。(2025.8.1)

書評(pdfファイルです。クリックしてご参照ください)

2025年参議院選挙で参政党などの躍進が見られ、日本でもポピュリズム政党の本格的な進出が明らかになった。この動きは世界的な傾向であり、今後もさらに拡大する可能性が大きい。そこで、このテーマについて幅広い重要な問題提起を試みた水島治郎編著の3冊を紹介したい。

 3冊は次の通りである。水島 治郎『ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書、2016年。水島 治郎編『ポピュリズムという挑戦―岐路に立つ現代デモクラシー』岩波書店、2020年。水島 治郎編『アウトサイダー・ポリティクス─ポピュリズム時代の民主主義』岩波書店、2025年。

 本書評では、これらの中から、ポピュリズムの基本的な特徴についてと、特に日本にとってきわめて重要なドイツとアメリカについて取り上げ、ポピュリズムの現実と可能性について検討したい。

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