2012年11月14日水曜日

特別シンポジウム「日本の物作り技術のゆくえ-鴻海(ホンハイ)=シャープ連携の意味するもの」


日本国際経済学会関西支部では、特別シンポジウム「日本の物作り技術のゆくえ-鴻海(ホンハイ)=シャープ連携の意味するもの」を以下のような要領で開催予定である。ぜひとも多くの方々が出席していただきたい。
二人の報告者 劉仁傑氏(台湾東海大学教授)と中原裕美子氏(九州産業大学准教授)は長く台湾企業の動向を検討している方なので、どのような報告と討論になるか、今から大いに楽しみである。

日時:12月1日(土) 15:00-17:30
場所:関西学院大学大阪梅田キャンパス1004教室 (アプローズタワー10階)
会場電話:06-6485-5611
詳細は日本国際経済学会関西支部のホーム・ページを参照していただきたい。
なお、11月8日の本ブログで紹介した、私の英語版の新著の第6章Business Alliances between Japanese and Taiwanese Companiesは、上記のテーマを検討しているので、私がシンポジウムでは司会を務めることになった。

シャープとホンハイの提携は、シャープの株価の下落にともなって、交渉のスピードが落ちているように見える。一部では、これで提携は行き詰まったなどの憶測も出ている。
しかし、私は、そのような推測は当たっていないように思われる。なぜなら、提携をめざした両社を取り巻く条件が依然として変わっていないからである。シャープはこれまでの液晶製品でコスト削減を進めなければならないし、ホンハイはシャープとの提携が先端技術を獲得しなければならないからである。
また、日本企業と台湾企業の提携(Business Alliances between Japanese and Taiwanese Companies)は、シャープとホンハイだけではなく、多くの日台企業で進められている。それは、両国企業の置かれた環境と、ビジネス・モデルの違いに基づいている場合が多いからである。
詳しくは、上記書第6章を参照していただければ幸いである。

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2012年9月7日金曜日

日系ホテルの海外戦略:ホテルオークラアムステルダム

たまたまあるツアーに参加して、オランダのホテルオークラアムステルダムに泊まることができた。海外に出て、日系ホテルに泊まったのははじめての経験で、さまざまなことを考える機会を得た。
このホテルは、ホテル自体が五つ星であるだけではなく、フランス料理レストラン「シエルブルー」が2つ星、和食堂「山里」が1つ星、「セールレストラン」が「Big Gourmand」に格付けされているそうである。山里で夕食をとったが、月曜日の夜にもかかわらずなんと満席。来客は圧倒的に現地の人が多いそうである。ヨーロッパでの寿司の人気はすごいようだが、ここでも多くの人が、ほぼ日本の寿司と変わらない寿司を食べている。
また、ホテル滞在中には、コンシェルジュの粋な計らいもあった。24時間制となっている貸し自転車を、時間が限られていると言ったところ、短時間を無料で貸してくれた。その他についてもこまやかな日本的なサービスが行き届いていて、本当に心地よい時間を過ごすことができた。

ところで、日系ホテルは、海外ホテルの進出で、国内で苦戦している。オークラも例外ではないらしい。しかし、オークラの有価証券報告書 (EDINET、ここで有価証券報告書を閲覧できます)のセグメント情報によれば、ホテルオークラアムステルダムは日本の売上高の540億円に対し、売上高が40億円にもなり、唯一情報を開示している重要なセグメントとなっている。日本の他のホテルをみても、これほど重要な海外部門はおそらく無いだろう。
今、電機・半導体産業をはじめいくつかの重要な産業が、特にアジア企業の発展や急速に進む円高に非常に苦戦している。このBlogでもシャープの苦闘とホンハイの提携を取り上げた。
このような事態に対応するには、上記の提携などさまざまな方法があるが、積極的に海外に展開することが、その重要な対策になるだろう。日本経済新聞によれば、円高を背景に海外企業のM&A(合併・買収)が増加している。この傾向はしばらく続くだろう。
ところで、日本のホテルの海外展開は、日本文化の海外展開ともなる重要な役割を担っている。それにともなって、日本的な食生活、日本的なサービスが広がれば、日本への国際的な理解もいちだんと深まるだろう。日本のホテルの海外展開に大いに期待したい。

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2012年8月16日木曜日

DVD「東京裁判」を改めて見直す

昨日は終戦記念日。日本政府は、8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とし、全国戦没者追悼式を主催している。
この日に当たって、例年のように、DVD「東京裁判」が放映されている。私もすでにこのDVDについて、以前のBlogで以下のように記載したが、わかりにくい位置に置かれているので、改めて掲載し、東京裁判が正しく評価されることを期待したい。

 「7) 12月8日は日米開戦70周年 (2011年12月10日17:41)」
今年は日米開戦から70周年である。
開戦に至った経緯を明らかにする文献が次々と刊行されている。アメリカ側からも、従来の一方的な日本の戦争責任を問うような論調ではなく、開戦に至ったより公平で客観的な研究が発表されつつある。

ところで、戦争の結果として行われた極東国際軍事裁判(東京裁判)が、当時の国際法に基づかない裁判として、また、戦勝国が戦敗国を裁く裁判として、批判を受けているのは、周知の通りである。今、DVD「東京裁判」などを通じて、多くの人が極東国際軍事裁判について改めて考え直すことが必要なのでないかと思う。
ここでは、当時の被告人弁護団の活動についてふれておきたい。特に、ベン・ブルース・ブレイクニー(Ben Bruce Blakeney, 1908年-1963年3月4日)氏の活躍は、特筆すべきものであった。彼らの活躍は、アメリカの民主主義の強さを象徴している。

ブレークニー弁護人の弁護内容を、DVD「東京裁判」の字幕とナレーションで紹介しておこう。
「戦争は犯罪ではない。戦争に関し国際法の法規が存在していることは、戦争の合法性を示す証拠であります。戦争の開始、通告、戦闘方法、終結をきめる法規も、戦争自体が非合法なら全く無意味です。国際法は、国家利益の追及の為に行う戦争をこれまでに非合法と見做したことはない」
「歴史を振り返ってみても、戦争の計画、遂行が法廷において犯罪として裁かれた例はひとつもない。我々は、この裁判で新しい法律を打ち立てようとする検察側の抱負を承知している。しかし、そういう試みこそが新しくより高い法の実現を妨げるのではないか。“平和に対する罪”と名付けられた訴因は、故にすべて当法廷により却下されねばならない」
「国家の行為である戦争の個人責任を問うことは、法律的に誤りである。何故ならば、国際法は国家に対して適用されるものであり、個人に対してではない。個人に依る戦争行為という新しい犯罪をこの法廷が裁くのは誤りである。」「戦争での殺人は罪にならない。それは殺人罪ではない。戦争が合法的だからです。つまり合法的な人殺しなのです。殺人行為の正当化です。たとえ嫌悪すべき行為でも、犯罪としてその責任は問われなかったのです。」
「キッド提督の死が真珠湾攻撃による殺人罪になるならば、我々は、広島に原爆を投下した者の名を挙げることができる。投下を計画した参謀長の名も承知している。その国の元首の名前も我々は承知している。彼らは、殺人罪を意識していたか?してはいまい。我々もそう思う。それは彼らの戦闘行為が正義で、敵の行為が不正義だからではなく、戦争自体が犯罪ではないからです。何の罪科でいかなる証拠で戦争による殺人が違法なのか。原爆を投下した者がいる。この投下を計画し、その実行を命じ、これを黙認したものがいる。その人達が裁いている。」
                                             
70年が過ぎ、日米は新たな絆で結ばれようとしている。それを象徴しているのが、東日本大震災におけるアメリカ軍の貴重な援助活動である。

なお、東京裁判(極東軍事裁判)の資料については、国会図書館の詳しい説明がある。
また、関連する私のBlogには、『昭和天皇独白録』もある。

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2012年7月29日日曜日

2012年6月28日木曜日

IFSAM 2012が開催された、リムリックから

IFSAM 2012が、6月26日からアイルランドのリムリックで開催された。リムリックは、ヨーロッパのほぼ西の端、今まで開催されたパリやベルリンに比べるとかなり小さな都市である。冒頭の2つのKeynote Speechでは、発展途上国の理論的・実践的な役割が強調された。そう言えば、発展途上国からの参加者が非常に多いように思われる。アジアでは、中国からの団体の参加が目立つ。

ところで、ダブリンからリムリックには列車で来た。2時間の列車の旅のすべてで、緑に覆われた一面の牧草地が広がり、牛、羊、馬が無心に草を食む本当に美しい田園風景が見られた。この風景は、ヨーロッパのどこにでも、一歩都市を離れると見られる風景である。残念ながら、日本ではなかなか見られない。

ところで、このような世界的な学会がますます発展し、研究成果の交流が世界的な規模で行われることを期待したい。また、日本人の国際学会への出席が多くなり、日本での研究成果が世界に届けられることを期待したい。さて、私の報告は29日の予定である。どのような質問やコメントが出るか楽しみである。

なお、この大会での報告は、私の著書(2012)の第6章:Business Alliances between Japanese and Taiwanese Companiesとなっています。ご参照いただけましたら幸いです。

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2012年4月11日水曜日

奈良公園の桜

日本の最も美しい季節、桜の満開の季節がやってきました。
奈良公園の桜もそろそろ満開、一部は散り始めています。今日は雨なので、散るのも早くなるかもしれません。今日は、日本の桜を見るために、いつもより外国人観光客が多かったようです。
(Blogの背景は、奈良公園ではなく、生駒山を背景にした桜です)



向こうに若草山と公園一帯を望みながら咲いています











桜と緑が見事にコントラスト、そのうちに奈良公園も緑一色に












そろそろ一部は散り始めています











(2012.4.12追記)
100周年を迎えたワシントンの桜祭りの桜はもう散ってしまったようです。
今年は、桜祭りの一環として、日本を代表する画家伊藤若冲の展覧会、Colorful Realm: Japanese Bird-and-Flower Paintings by Itō Jakuchū (1716–1800)が、National Gallery of Artで開かれています。

改訂版を作成しました。(2013.3.31) 奈良公園の桜、改訂版、Cherry blossoms in Nara Park

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2012年4月7日土曜日

シャープと台湾ホンハイの提携、Alliance between Sharp and Hon Hai


「シャープは3月27日、EMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携すると発表した。鴻海グループがシャープ株の約10%を取得し、事実上の筆頭株主となる。」(日経、「シャープ、国際分業で再建急ぐ 鴻海が筆頭株主に」、2012/3/27 23:30
シャープの側のねらいは明確であり、日本の各紙でも詳しく紹介されている。液晶パネルの価格が暴落し、経営が急速に悪化しているからである。ホンハイとの提携で液晶の安定的な供給が可能になる。

ホンハイは世界最大のEMS (Electronics Manufacturing Service, 電子機器の受託製造サービス)として、アップルへの供給をはじめ、時代をリードする製品を次々と世界市場に供給してきた。今や、ホンハイ抜きにして、最新の電子製品は語れない。
しかしながら、実はホンハイの経営もまた苦しい。売上高は台湾電子企業で圧倒的な規模を維持しているが、利益率は決して高くない。最近になってやや低下傾向も見られる。
また、最大の生産基地中国で、賃金の低さや労働条件の悪さが批判の的となり、今改善を進めざるを得なくなっている。これが実現されると、利益率はさらに低下する恐れもある。こうして、ホンハイも日本企業との提携による高度の技術の導入は、急を要する課題なのである。

この提携がどのような結果をもたらすかはまだ明らかではない。今後、シャープからの投資も行われ、相互投資の形態に発展する可能性もある。ホンハイ優位のみが結果となり、シャープのいっそうの衰退がもたらされる可能性も否定できない。
しかし、日本企業にとって台湾企業との提携は、それぞれの得意分野が異なること、などの理由で、国境を越えた提携としては、最も可能性のある提携のひとつであると思われる。したがって、日本企業は、この提携の先に新たな可能性を見つけ出す必要があるだろう。

このテーマについての、私の詳しい最新の研究は、以下をご参照ください。(英語版です、近日中にデータとして掲載します)なお、一部は以下のブログで、日本語で掲載しています。
日本と台湾の関係を広く検討した、私のブログは、本ブログの2012年1月17日をご参照ください。

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