2018年5月8日火曜日

並河靖之七宝記念館館

日本を代表する七宝家並河靖之の展覧会には、これまでいくつも出かけていたが、なかなか行く機会の無かった並河靖之七宝記念館館にようやく行くことができた。
京都地下鉄の東山駅に近く、周辺には観光地、寺院、美術館が多く、いくつかを掛け持ちで巡ると良いかもしれない。

今はまさに5月の新緑の季節、館も周辺も緑でとても美しい。昨日からの雨で緑がさらに鮮やかに感じる。

右の写真は主屋から眺めた庭園の全景である。
「庭園は七代目小川治兵衛(屋号:植治)が手がけ、琵琶湖疏水(明治23年・1890竣工)を導水した池」(記念館パンフレット)が庭園の中心となっている。
駅に近いにもかかわらず意外に静かで、主屋とともに多くの外国の賓客を楽しませたと思われる。

左の写真は主屋の応接室である。
手前に置かれているのは、並河靖之が得た多くの記念のメダルが入れられた額である。

主屋の反対側には工房があるが、残念ながらそこでの写真撮影はできなかった。
並河の作品の評価は日増しに高まっているように思われるので、近い将来七宝の制作過程や工房の姿がより詳しく紹介される日を待ちたい。

ここで、改めて、私の過去のブログでの並河の作品を紹介したい。まず、「並河靖之 七宝展 明治七宝の誘惑-透明な黒の感性」(伊丹市立美術館)(2017年9月17日)である。この展覧会で驚いたのは、その図録のすばらしさだった。それは、「248ページからなり、多数の鮮明な画像とともに、詳しい論説や説明が掲載されており、並河靖之の一連の作品を理解するために必須の書籍になっていると思われる。」(上記ブログ)

展示された作品はすばらしいものばかりだったが、やはり右上の「桜蝶図平皿」(明治中期の作品、図録では33番)を再掲しておきたい。
図録の次のページには詳細図があるが、桜と蝶が細部にわたって克明に制作されているのがよくわかる。(当初の原稿の黄色の箇所に誤りがあり修正しました)

そして、これに対応する作品も紹介しておこう。
同じような構図で、背景がピンク色になっているのが、の「桜蝶文皿」(『七宝』INAXギャラリーより)である。先の図録(94)では、記念館所蔵の下図が掲載されている。

私は、Pinterestの私のページでこの作品を紹介しているが、おそらく最も多くピンを保存していただいているひとつが、この作品である。
ピンク色の背景の皿がとても珍しいと言うことだろう。

並河靖之とその工房の作品群は、明治時代の工芸作品の水準の高さを示しているが、それはその後の日本の製造業の発展の先駆けとなったと言えるだろう。多くの人々がその作品に触れ、また記念館を訪問されることを期待したい。

私の並河についてのもうひとつのブログ(2013年10月17日):日本の工芸:七宝、並河靖之、Shippo, Yasuyuki Namikawa」


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