2025年12月27日土曜日

「書評『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』を読む」を掲載しました

書評:習近平時代を読み解く「三つの視座」から、「戦略的臥薪嘗胆」を提唱する『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』を読む」を掲載しました。(2025.12.28)

キーワード: 三つの視座、「ゼロコロナ政策」、尖閣危機、「戦略的臥薪嘗胆」、民主化支援、「チャイナスクール的体質」、SNS

書評の全文です。クリックしてご参照ください。私のwebsiteの2025年の研究ページにも掲載しています。

はじめに

 垂 秀夫【著】/城山 英巳【聞き手・構成】『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋、2025/6/11)が、幅広い読者に注目され、読まれている。どこの図書館に行っても多くの予約が入っている。日本の外交官の著作がこれほど注目されたことは、かつて無かったのではないだろうか。日中間の対立が激化するという環境で、「中国が最も恐れる男」の思想と行動がどのようなものであったかに注目が集まっているからだろう。日中間の歴史と現在に注目し、国際経済とその歴史を研究する一人として、同書の主張が最も強く打ち出され、私が特に共感した章を詳しく紹介したい。

おわりに

 「はじめに」でも指摘したように、この優れた著作はすでに広範な人々に読まれているが、さらに幅広い読者に読まれることを期待したい。また、すでに何人もの我が国の外交官が、様々なメディアで発言する機会があるが、垂氏のような戦略的思考を持ち、SNSを含むあらゆる手段を駆使して、日本の政策を相手国と世界に直接に訴える外交ができている人は少ないように思われる。これからは、垂氏に、「チャイナスクール的体質」とも共通する、「大手メディア的体質」にとらわれている、テレビ、新聞などの大手メディアでも、日本の対中国政策と外交政策全般に積極的な発言されることを期待したい。


2025年11月8日土曜日

研究ノート バブルの歴史とAIバブルの崩壊: 『AIバブルの不都合な真実』とキンドルバーガー理論

研究ノート 「バブルの歴史とAIバブルの崩壊:『AIバブルの不都合な真実』とキンドルバーガー理論」を掲載しました。

以下は、その「はじめに」です。

「2025年10月27日、日経平均株価が50,000円を突破した。11月4日には52,636.87円まで上昇し、市場最高値を記録したが、翌5日には、下げ幅は2400円を超える場面があった。アメリカを中心とする世界の株式市場では、現在の相場がバブルではないかとの主張を展開する投資家もしだいに増え、市場が不安定さを増している。

 こうした情勢を背景にクロサカ タツヤ『AIバブルの不都合な真実』(日経BP、2025年09月29日)が刊行され、注目を集めている。本ノートは、1でその著作を紹介し、2はバブル研究の古典である、キンドルバーガーの『熱狂、恐慌、崩壊 金融恐慌の歴史』を取り上げ、バブルの歴史を辿りながら、現在のバブル化しつつある市場について考えてみたい。」

研究ノートです。クリックしてご参照ください。

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2025年10月17日金曜日

関 智英『対日協力者の政治構想』の紹介と書評、 そして私の戦間期対中投資論

書評「関 智英『対日協力者の政治構想』の紹介と書評、そして私の戦間期対中投資論」を掲載しました。

書評の全文です。クリックしてご覧ください。

書評の「はじめに」は、その課題を次のように提示している。
 「関 智英『対日協力者の政治構想 日中戦争とその前後』(名古屋大学出版会、2019年)は、戦間期中国における対日協力政権を研究した、数少ない包括的で優れた研究である。本書評1では、その最も中心的な内容で、対日協力政権の概観ともなる「緒論」を中心に詳しく紹介したい。
 この著作は、書名の通り、対日協力政権の主に政治的な側面を研究の対象にしているが、私はその協力の基礎には、日本の対中投資と、その結果として生まれた企業活動の発展があると考え、“Japanese Companies in East Asia: History and Prospects: Expanded and Revised Second Edition” (2015)をまとめたので、2では、その内容を紹介したい。」

 書評の目次は以下の通りである。
「はじめに
 1 『対日協力者の政治構想』について
 2 日中間の経済関係から戦間期中国を捉える:Hirohiko SHIMPO, “Japanese Companies in East Asia: History and Prospects: Expanded and Revised Second Edition” (2015)の紹介
 おわりに
 付表、Shimpo (2015)における各表」

 書評の「おわりに」は、次のようにまとめている。
 「以上の検討によって、いかに多くの日本企業とその子会社が、戦間期の中国や満洲で活発に活動し、それぞれの地域の経済発展に貢献したかが明らかになるだろう。そして、中国人や満州人が、日本企業で役員や従業員として、さらには投資家として、その企業活動を支えたのかもわかる。また、日本企業とは別に独立して、中国人や満州人が新たな企業を設立した場合も少なくない。
 私の研究によれば、関氏が明らかにした、対日協力政権は、このような経済活動の基盤を獲得してはじめて、現地の人々の生活に貢献できたように思われる。この点では、戦間期日本企業の中国・満洲における活動は、現在の日本企業、そして中国企業の海外活動と基本的な性格は変わらないと思われる。」


2025年8月18日月曜日

「研究ノート: 世界経済発展への脅威、トランプ関税: 戦間期英米の関税政策を振り返る」を掲載しました

1932年、ブロック経済圏始まる
研究ノート:世界経済発展への脅威、トランプ関税:戦間期英米の関税政策を振り返る」を投稿しました。

 研究ノート(クリックしてください)

<研究ノートの「はじめに」>

トランプ関税が世界経済の発展の脅威となっている。それは、具体的な内容が不明確で、当時国間の交渉も著しく不足した、トランプ政権による一方的な内容である。しかし、すでに発表された内容によれば、その影響は大きく、アメリカ経済と世界経済に深刻な影響を及ぼす恐れがある。

 関税が世界経済にどのような影響を及ぼすかについては、戦間期世界経済の歴史を捉え直すのが適切であると思われる。当時は世界恐慌によって、各国は関税競争に陥り、世界経済はブロック化に向かった。

 本研究ノートは、戦間期世界経済の実態を明らかにすることで、トランプ関税とその影響について検討したい。

(写真は、日本経済新聞「1932年、ブロック経済圏始まる」2023年1月2日 、カナダ・オタワでの会議に向けた出航前に船内で談笑する首脳)


2025年8月1日金曜日

書評「水島治郎編著、ポピュリズム研究 3著作の紹介」を掲載しました

書評「水島治郎編著、ポピュリズム研究 3著作の紹介」を掲載しました。(2025.8.1)

書評(pdfファイルです。クリックしてご参照ください)

2025年参議院選挙で参政党などの躍進が見られ、日本でもポピュリズム政党の本格的な進出が明らかになった。この動きは世界的な傾向であり、今後もさらに拡大する可能性が大きい。そこで、このテーマについて幅広い重要な問題提起を試みた水島治郎編著の3冊を紹介したい。

 3冊は次の通りである。水島 治郎『ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書、2016年。水島 治郎編『ポピュリズムという挑戦―岐路に立つ現代デモクラシー』岩波書店、2020年。水島 治郎編『アウトサイダー・ポリティクス─ポピュリズム時代の民主主義』岩波書店、2025年。

 本書評では、これらの中から、ポピュリズムの基本的な特徴についてと、特に日本にとってきわめて重要なドイツとアメリカについて取り上げ、ポピュリズムの現実と可能性について検討したい。

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2025年4月29日火曜日

書評『決定版 日中戦争』 を掲載しました

 書評『決定版 日中戦争』 を掲載しました。(2025.4.29)

書評(pdfファイルです。クリックしてご参照ください)

書評の「目次」

はじめに、1 第一章 日中戦争への道程:戸部良一、2 第二章 日中戦争の発端:戸部良一、3 第三章 上海戦と南京事件:庄司潤一郎、4 第六章 「傀儡」政権とは何か―汪精衛政権を中心に:川島真、5 第八章 日中戦争と日米交渉―事変の「解決」とは?:波多野澄雄(第七章も一部含む)、まとめ:本書の貢献と課題について

書評の「はじめに」

 2006年から始まった日中歴史共同研究は、2010年に報告書が発表され、その役割を終えた。8年後の2018年に、共同研究の委員として参加していた、波多野澄雄、庄司潤一郎両氏らを中心に執筆されたのが、波多野澄雄、戸部良一、松元崇、庄司潤一郎、川島真共著『決定版 日中戦争』(新潮新書、2018/11/20)である。

 本書は決定版と名付けられているとおり、日中戦争に関する様々な基本的な問題を整理し、執筆者を中心とする研究者の基本的な見解がわかりやすく整理され、多くの人々が『決定版 日中戦争』を通して、日中戦争を学ぶことができるようになっている。

 私は、戦間期国際経済史、企業発展史を研究してきた立場から、この著作の意義と、あわせて検討を期待した課題を提起しながら、書評を試みたい。なお、この著作は新書ながら歴史的な事件の記述と評価が詳しく記述されおり、この書評はかなり本文を引用したため長くなっていることをご了解いただきたい。

追記:私のこのブログでの、第2次世界大戦全般に関する、その他の書評は以下の通りです。あわせてご参照ください。(20250629)

・(第2次世界大戦)「東京裁判」4K版、今日から公開 (2019.8.3)

・(第2次世界大戦)DVD 東京裁判をもう一度紹介します(2018.8.16)

・(第2次世界大戦)「真の日本の友」グルー駐日大使の『滞日十年』(2) (2017.8.21)

・(第2次世界大戦)「真の日本の友」グルー駐日大使の『滞日十年』(1) (2017.8.20)

・(第2次世界大戦)フーバー大統領『裏切られた自由』での、中国と朝鮮、『フーバー大統領回顧録』紹介(3) (2017.8.9)

・(第2次世界大戦)渡辺惣樹『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』、『フーバー大統領回顧録』紹介(2) (2017.8.8)

・(第2次世界大戦)藤井厳喜他『日米戦争を起こしたのは誰か』、『フーバー大統領回顧録』紹介(1) (2017.8.7)

・(第2次世界大戦)第2次世界大戦を見直す大著『裏切られた自由(フーバー大統領回顧録)』邦訳刊行迫る (2017.8.6)

・(第2次世界大戦)第二次大戦に勝者なし ウェデマイヤー(Wedemeyer,Albert C.)回想録 (2015.7.21)

・(第2次世界大戦)ハミルトン・フィッシュ(Fish, Hamilton)の『ルーズベルトの開戦責任』  (2015.7.17)

・(第2次世界大戦)「『特攻―空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』(M.T.ケネディ著)より」、Maxwell Taylor Kennedy (2012.3.4)

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2025年4月14日月曜日

「書評 レイ・ダリオ『世界秩序の変化に対処するための原則』」を掲載しました

 「書評 レイ・ダリオ『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』」を掲載しました。(2025.4.14)

書評(pdfファイルです。クリックしてご参照ください)

書評の目次:はじめに、1. キーワードあるいは様々な決定要因、2. 18の決定要因の説明、3. 戦後中国の歴史と現在:第12章 中国と人民元のビッグ・サイクル、4. 米中日の比較について、5. 「国力スコアの主要決定要因」に欠けているいくつかの要因

上記書評の冒頭:

世界の代表的なヘッジ・ファンドの創業者であるレイ・ダリオ が、『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』(斎藤 聖美訳、日本経済新聞出版)という壮大な歴史的著作を公刊した。原著は、“Principles for Dealing with The Changing World Order Why Nations Succeed and Fail”, Avid Reader Press/ Simon & Schuster, 2021/11/30である。

 この著作については、私のブログ(https://hshimpo.blogspot.com/)ですでに書評を掲載したが、内容が短すぎてわかりにくいので、改めてより詳しい内容に書き直して、websiteとblogに掲載する。同書は、日本語版の総ページ数は556ページと長大なので、本書評は、最も核心的な主張と、特に中国に関する記述について検討したい。

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