私のブログは、しばらくロシアのウクライナ侵攻を批判する記事を書いてきた。この野蛮な行為で、人間に対する信頼を失いそうになるが、以下のような素晴らしく創造的な作品群に親しむことができて、少しほっとできる。
『ガラス工芸家100人 現代日本の精鋭たち (別冊炎芸術) 』(2021年10月)を紹介したい。
まず、100人の作品の中で、私が最も注目したのは、山本茜さんの「源氏物語シリーズ 第三帖「空蝉」」である。
この作品は、「截金(きりかね)」という技法で作られていると言う。それは、「薄く伸ばした金箔を一定のかたちに切り、繊細な文様を生み出す工芸の伝統技法で、古くから仏像や仏画に用いられてきた。その截金を透明なガラスの中に浮遊するかのように封じ込めるのが「截金ガラス」」だという。(Vogueから)この作品を近くに寄って見てみると、細密な文様が、整然と並べられている。その繊細さに本当に驚いてしまう。
この作品は、その名称の通り、「『源氏物語』の奥深い世界観を作品として可視化」したものだと言う。(以下、括弧内の文章は『ガラス工芸家100人』から)
本書は、100人の作家の作品紹介以外に、「ガラスを知る・見る・買う」として、「日本グラスアートの幕開け」(土田ルリ子(富山市ガラス美術館副館長))、「ガラスの技法」(古澤かおり/中島春香(富山市ガラス美術館学芸員))、「近現代ガラス関連美術館」、「ガラス工房・ギャラリー」のページがある。
100人もの日本を代表するガラス工芸家の作品を一度に見ることができる『ガラス工芸家100人』を、多くの読者にお薦めしたい。なお、Amazonの本書紹介ページでは、上の3人以外の10人の多彩な作品を紹介している。あわせて、ご参照ください。
(ブログのTOP、ブログの目次、新保博彦のホームページ、新保博彦の(YouTube)チャンネル)
0 件のコメント:
コメントを投稿